ブライン液って効果あるのですか?本当にお肉が美味しくなるのですか?
2021年6月18日にヒルナンデスで唐揚げをジューシーにするブライン液の紹介がありました。
ブライン液って何ぞ???という方へ解説も交えて紹介します。
ブライン液は、パサパサになりがちな鶏肉や豚肉がプリプリに仕上がる魔法の調味料の事です。
作り方も簡単で水と塩、砂糖を混ぜてお肉を数時間漬け込むだけ。
元々ジューシーで美味しい鶏もも肉も、ブライン液を使うことで更に美味しい鶏もも肉になりますよ。
もしブライン液を知らないという方は、この記事を読んで、いいなと思ったら是非使ってみてください!
今のお料理がワンランクアップすること間違いなしです。
1981年生まれの41歳。コック歴21年。
福岡の調理師専門学校を卒業後にフレンチレストランに就職。
現在は小さな居酒屋で目の前のお客さんに料理を振る舞っている。
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ブライン液とは? ブライン液を使う理由は?
ブライン液とは・・・
水に塩と砂糖を各5%ずつ混ぜ合わせたもの
このブライン液に普段使っている鶏肉や豚肉を漬け込む事で、加熱後もしっとりと柔らかくジューシーに仕上げる事ができる。
※水200ccの場合は塩・砂糖を5%各10gずつ (小さじ1杯で5g)
何故ブライン液を使うのでしょうか。
答えはパサパサになりがちなお肉を、誰でも簡単にしっとりと仕上げる事が出来るからです。
お肉は基本焼くとパサツキが生まれてしまいます。
お肉は加熱すると、タンパク質(筋肉質)から水分が流出してしまうからです。
水分が抜けてしまうことで、お肉のパサつきが生まれます。
一度水分が抜けてしまうと、二度と元の水分を保った状態に戻る事はありません。
しかし、お肉をブライン液に漬け込む事で、水分を閉じ込め焼き上げ後もしっとりと仕上げれる事が可能になります。
ブライン液に漬け込む時の注意点
ブライン液を使用する際、いくつかの注意点があります。
間違った使用方法をしてしまうと、雑菌が生まれてしまう可能性も出てきますので、取り扱いには十分に気をつけてくださいね!
- ブライン液の塩の割合が5%を超えないようにする
(※5%を超えてしまうと、浸透圧の影響で逆に水分や旨味が流出してしまう為)
- ブライン液は必ず冷たい液でお肉を漬け込む
- 漬け込む時は、お肉をフォークで穴をあけて全体がまんべんなく浸かるようにする
- 漬け込んだら、すぐに冷蔵庫にいれる
- ブライン液の再利用は絶対にしない
- 下味の塩は基本無用
使い勝手が便利なブラウン液ですが、使用方法によっては雑菌が生まれたり、効果がなくなったりするので注意して使ってくださいね。
ブラウン液を使用した後は、お肉の下味(塩)は不要ですが、唐揚げなどの下味に使用する醤油やにんにく、生姜などは使ってもらって構いません。
ブライン液の使い方と漬け込み時間
ブライン液の漬け込み時間は各お肉により異なります。
一口サイズにカットしたお肉と豚肩ロースのような塊のお肉とでは、ブライン液が内部に浸透する時間が異なるからです。
使用するお肉のサイズにより、漬け込み時間を調整してください。
漬け込む時ですが、ジップロックやポリ袋、ボールなどを使用してくださいね。
このブライン液は、『からあげ』や『ムネ肉の蒸し鶏』、『ローストポーク』などの料理には絶対使ったほうが良いオススメな調理法です。
漬け込み時間は以下参照にどうぞ!
鶏肉を1枚のまま使用する場合 (モモ、ムネ)
鶏肉を使った蒸し料理や1枚サイズのまま焼き上げたい時の漬け込み時間は、最低2時間は漬け込み、余裕があれば4時間から一晩冷蔵庫で寝かせましょう。
一晩漬け込みしたからといって、しょっぱくなる事はありませんのでご安心ください!
なお、ブライン液から取り出したあとは、キッチンペーパーなどで水分を拭き取って、調理してくださいね。
一口サイズにカットしたお肉を使用する場合
唐揚げを用意する際や鶏肉のそぎ切りを使用する場合は。
お肉が一口サイズにカットされてる場合の漬け込み時間は、最低30分、出来れば2時間は漬け込みしましょう。
こちらも使用する時は、しっかりと水分を拭き取って調理をはじめてくださいね。
いつもの唐揚げが、ジューシーに仕上がります。
ブロック肉を使用する場合
豚バラブロックや豚肩ロースをブロックのまま、使用する場合フォークで穴を開け、筋切りをしておくと良いです。
最低6時間は漬け込み、出来れば一晩冷蔵庫で寝かせましょう。
豚肉の臭いが苦手な人は、漬け込む時にレモンの輪切りを数枚やハーブを少量一緒に入れると臭い消しにもなりオススメですよ。
低温調理+ブライン液
近頃流行している「低温調理」を使えば、フレンチシェフのお肉の火入れ技術がなくても、同等かそれ以上のクオリティに仕上がります。
やり方は、ブライン液に漬け込んだ豚肉や鶏肉を取り出し、ジップロックに移し替えて空気を抜き、低温調理器に投入するだけです。
低温調理が終わったら、お肉を更に美味しくするために20分~30分休ませます。
ローストポークやローストビーフのような料理の場合は、低温調理後に表面を香ばしく焼き上げましょう。
ローストポークのような豚肉の低温調理の場合
殺菌の為に、中心温度58℃まで上げて1時間加熱する必要があるので、調理に2時間~4時間は要します。
低温調理の醍醐味は、お肉の柔らかさです。
その効果を最大限活かすのであれば、6時間は低温調理したいですね。
※筋の多い豚肩ロースなど、7時間以上加熱することで噛み切れる柔らかさに仕上がります。
鶏むね肉のハムを低温調理する場合
鶏肉の場合は、内部温度を63℃まで上げて30分加熱する必要があるので、調理に100分ほどの時間を要します。
低温調理後は、涼しい場所でお肉をゆっくり休ませましょう。
低温調理の気になる電気代は?
各メーカー、様々な商品が出ていますが平均して1時間あたり10円~20円前後と考えてもらったら良いでしょう。
ブライン液を使ったオススメレシピ
ブライン液を使った、オススメレシピをご紹介
ジューシーなお肉に仕上がりますので、是非試してくださいね
①『フライドチキン』レシピ
まずはコレ、みんな大好きなおかず!
外はカリっと、中はジューシーなフライドチキンをご家庭でもどうぞ♪
- 鶏ももを使用(ムネ肉でも可)2人前レシピ
■鶏肉 1枚 300g (一口サイズにカットして液に漬け込む 30分~2時間) | |
■ブライン液 100cc | |
水 100cc 砂糖 5g(小さじ1) 塩 5g(小さじ1) | |
■下味 | |
料理酒 10cc(小さじ2) 薄口醤油 10cc(小さじ2) みりん 8cc (小さじ1.5) すりおろし生姜 お好み量で おろしニンニク お好み量で | |
■衣 ※鶏肉の水分量で変わってきますので、粉の量は調整してください。 | |
片栗粉 80g 小麦粉 80g ※米粉でも可 | |
■揚げ油 | |
米油 適量 ゴマ油 ※米油に対して1割ほど |
- 一口サイズにカットした鶏肉をブライン液に漬け込み冷蔵庫で保管する
- 30分~2時間経過後、鶏肉を取り出しキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る
- 取りだした鶏肉を用意した下味に10分~30分漬け込む
- 油を温め160℃にしておく
- 衣も混ぜ合わせ、下味から取りだした鶏肉に絡ませて、3切れずつ揚げていく
- 2分揚げたら、一度取りだし余熱で2分休ませる
- 180℃の高温で2分揚げる
- お皿に盛り込み完成!
今回は2度揚げ方式を取り入れました。コレをやることで外がカリっと仕上がります!
3切れずつ揚げる理由は、油の温度が下がらない為です。温度を保ったまま揚げることで油切れの良いサクサクの唐揚げが出来ます!
揚げ油にゴマ油を少量入れることで、香ばしい唐揚げが出来ます!
②『ローストポーク ハニーマスタード添え』
豚肩ロースのステーキってコスパは良いので賄いに良く使ってます♪
ブライン液を使う事で、ジューシーに仕上がります!
- 厚み2cmの豚肩ロース使用 1枚約150g
■豚肩ロース 2枚(約300g)※筋切りとフォークで穴を開けておく | |
■ブライン液 100cc | |
水 100cc 塩 5g(小さじ1) 砂糖 5g(小さじ1) レモンスライス 2枚 ※香り付け タイム(有れば) 少量 ※香り付け | |
■下味 | |
ソルト岩塩か粗塩 ひとつまみ ブラックペッパー 少量 ニンニク 1片 | |
■ポテトや人参、ブロッコリーなどの付け合せ | |
※ソーセージはお好みでどうぞ♪ | |
■ハニーマスタードソース | |
ディジョン粒マスタード 大さじ2 はちみつ 大さじ1 醤油 お好みで |
- 豚肩ロースは最低2時間~1晩つけこみます
- ブライン液にレモンスライスとタイム(有ればでOKです)を少量ちぎって一緒に漬け込みます
- 焼き上げる1時間前に、ブライン液から出して水気を切っておく
- 下味をつける。 ニンニクは表面を塗りつけるだけ
- フライパンにオイルを少量入れ、両面に焼き色をつける
- 焼き色がついたらアルミホイルで包み、130℃のオーブンで15分焼き上げる
- ※一緒に付け合せの野菜(ポテトや人参、ブロッコリーなど)を一緒に包むと良い
- 焼き上げたら、すぐにアルミから出さずに5分は寝かせる
- ソースは合わせるだけでOK。 ソースに付けながらお肉を食べてね
お肉の筋切りは大切。筋切りすると、お肉が縮みません。
お肉下味の塩はなるべく、岩塩か粗塩を使おう。 お肉本来の素材の持ち味が活かせます。
焼いたお肉は温かい所で5分寝かせましょう。 肉汁の流出を抑えれるよ。
③ミラノ風カツレツ レモンソース
薄く切った豚ロースに衣をつけて揚げずに焼いたもの。
揚げ油用意するのが面倒くさい!という方は是非試してくださいね。
付け合せは何でもよし! マカロニサラダやトマト何でも合いますよ。
さっぱりとしたレモンソースで夏バテにも良いです。
- 厚み0.5cmの豚ロースを使用(豚肩ロースでもOK) 1枚約80g
■豚ロース 2枚 (約160g) ※筋切りをしておく | |
■ブライン液 | |
水 100cc 塩 5g(小さじ1) 砂糖 5g(小さじ1) レモンスライス 2枚 ※香り付け | |
■下味 | |
ソルト岩塩か粗塩 ひとつまみ ブラックペッパー 少量 ニンニク 1片 | |
■カツレツ用の衣 | |
小麦粉 少量 パルメザンチーズ 少量 卵 2個 パン粉 適量 | |
■さっぱりレモンソース | |
レモン汁 大さじ3 はちみつ 大さじ2 塩 小さじ1 にんにく ひとかけ分 水 100cc コーンスターチ 5g | |
■付け合せの野菜やマカロニサラダなどお好きなもので♪ |
- カツレツ用のお肉は0.5cmの厚みに切る、もしくは綿棒で伸ばす。※筋切りは忘れずに
- 豚ロースは最低30分~1時間つけこみます
- ブライン液にレモンスライスを2枚一緒に漬け込みます
- 焼き上げる1時間前に、ブライン液から出して水気を切っておく
- 衣をつけていきます
- まずは小麦粉から(余分な粉は落とす)
- 次にパルメザンチーズを少量ふりかけます
- 卵をしっかり溶いたものにお肉をくぐらせます
- 続いてパン粉をまんべんなく、つけていきます。
- フライパンに油を入れて加熱したら、衣をつけたカツを入れ両面焼いていく
- 焼き終わったら、フライパンをキッチンペーパーで拭きレモンソースの材料を入れコンスターチでとろみをつける。
お肉の筋切りは大切。筋切りすると、お肉が縮ません。
ソースはお肉の下に引きましょう。上からかけるとせっかくの食感が台無しに。
カツを温めるときはレンジではなく、オーブンで温めると良いですよ。
本日は以上です。
魔法の水『ブライン液』のご紹介でした。
浸透圧の影響でここまでお肉の水分が残るとは、本当にびっくりです。
良いと思った方は、是非ともご家庭でチャレンジしてみてくださいね。